ハバナ・モード―すべての男は消耗品である。Vol.8
ハバナ・モード―すべての男は消耗品である。〈Vol.8〉 (幻冬舎文庫)
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: 文庫
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このシリーズもとうとう8までいったか。
乗車時間が短い電車の中で読むには適している。
執筆時期は2003/06〜2005/05で「13歳のハローワーク」を出して、大作「半島を出よ」を書き終えるまでのようだ。
エッセイの順番は時系列が逆になっていて、どれも10ページ未満。
内容はまあいつもどおりという感じ。
カンブリア宮殿の本も読んだし、そろそろ大作を出さないかな。「半島を出よ」から3年ぐらい経ってるし。
そういえば村上春樹が長編を書くのは3年に1回ぐらいだっていってたけど、「アフターダーク」が出たのが2004/09だから
そろそろ期待したいところ。
翻訳もいいがファンとしては、長編を期待してしまう。まあ短編でもいいけど。
村上龍の短編は正直言って、どうしても読みたいとは思わないなあ。あと長編も読み返したいとはあんまり思わない。
もちろん面白くなかったという意味ではない。ただ読むのにエネルギーがいるんだよね。読みにくいという意味ではなくて、自分が誤魔化している弱い部分が暴かれる気がするから。
まあそれを期待して読んでいるという部分もあるわけだが。
一方、村上春樹は翻訳、エッセイ、ひょひょいのひょい、を除くと読み返したいと思う。実際去年全集も買ってしまった。
読み返したい理由は文章がとにかくうまいから。もちろん内容もいいんだけど、村上龍ほどのダイレクトさは無い。良くも悪くも。
実は村上春樹の長編は読んでいたけど、短編はあんまり読んでいなくて全集で読んだものが大半。
「沈黙」にはかなり衝撃を受けた。これは著者もいっているようにめずらしくストレートな話。
いじめの話なのだが、「はじめての文学」に収録したのも小中高の学生に読んでほしいからだろう。
他にも「回転木馬のデッドヒート」に収録されている短編はどれもすばらしい。それにしてもあの聞き書きの文章は本当にうまい。
「ねじまき鳥クロニクル」でも「加納クレタ」や「間宮中尉」が「僕」に語っている部分のくだりは見事としかいいようがない。