色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

小説が発売されてすぐに買いにいく作家というのは僕にとっては村上春樹が最初で唯一の存在です。少なくとも今のところは。

発売日に買って速攻で読了しました。結論からいうと面白かったです。

この小説は370ページあって村上春樹の小説のジャンルとしては中編小説に入るでしょう。

村上春樹の中編小説といえば、「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「国境の南、太陽の西」、「スプートニクの恋人」、「アフターダーク」といったところがあります。「羊をめぐる冒険 」、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」、「ノルウェイの森」、「ダンス・ダンス・ダンス 」、「ねじまき鳥クロニクル」、「海辺のカフカ 」、「1Q84」といったボリュームがある長編小説に比べると存在感は幾分薄れるし、個人的にも長編小説のほうが好きなわけですが、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は結構面白いです。

内容については触れるつもりはないですが、メンタルをあつかった小説でもあり喪失もひとつのテーマにあることから「ノルウェイの森」に近い雰囲気はあると思います。そして主人公は36歳独身のオッサンなので勝手に親近感を感じております。

ちなみにタイトルを見たときに僕は意味がわからなかったのですが、「多崎つくる」は主人公の名前です。「巡礼の年」というのはフランツ・リストのピアノ独奏曲集らしいです。「1Q84」のときは、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が売れたらしいので「巡礼の年」も売れるんじゃないでしょうか。