ガロアの生涯 第4版―神々の愛でし人
- 作者: レオポルトインフェルト,Leopold Infeld,市井三郎
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2008/08/01
- メディア: 単行本
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どうも最近復刊したようですね。ちょっと意外だったのは数学の話があまり出てこなかったこと。でも(だから?)面白く読めますね。
僕がこの本を知ったのは内田樹さんが生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)を評しているブログの以下の一文からですね。
「ロジカルでクールでパセティックな学説史」を私は中学生の頃に一度だけ読んだ記憶がある。
生物と無生物のあいだ - 内田樹の研究室
レオポルド・インフェルトの『神々の愛でし人』である。
数学者エヴァリスト・ガロアの短く浪漫的な人生を描いたこの伝記に出てくる「群論」とか「五次方程式」とか「冪数」(「べきすう」と読むのだよ)いう言葉の意味は私にはもちろん意味不明だったけれど(だいたい私は中学の数学でさえあまり理解できていなかった)息が苦しくなるほど興奮したことを覚えている。
この本はインフェルトがガロアに捧げたように、福岡先生がオズワルド・エイブリーとルドルフ・シェーンハイマーとロザリンド・フランクリンいう三人の「アンサング・ヒーロー」(unsung hero、すなわち「その栄誉を歌われることのない、不当にも世に知られていない英雄」)に捧げた本である。
僕が大学2年のときに群論で早々と挫折しているときにガロアがすでに同じぐらいの年齢でガロア理論を打ち立てていたことに衝撃を覚えたことを思い出しました。(群論は文化人類学者クロード・レヴィ=ストロースの「親族の基本構造」にも応用されているようですね)
五次以上の方程式には解の公式が存在しないという定理は、群、環、体と順番にちゃんと勉強していって大学4年くらいに初めて理解できるものなのですが、そういえば僕はスタートでつまづいたんだった。
まあこの定理をちゃんと説明できるのなら学士どころか修士をあげていいと思うけど。
あとガロアの業績はリウヴィル(複素解析の授業でリウヴィルの定理を習った気がする)、ジョルダン(線形代数の授業でジョルダン標準形を習った気がする)によって広く認められるようになったようです。