転職します
いつか、近い将来、こういうエントリを書くことになるだろうと思っていたのですがその日がきました。
今日、10/31をもって現職を退職します。11/1から新しいところで働きます。
初めての転職です。
年齢的にもプログラマの定年というか村上春樹のプールサイドでいう折り返し地点に立っていますので、
いろいろと考えるところもありましたし、新しいところでやっていけるのか不安もありましたが決断しました。
現職には2002年に新卒で入社して以来なので10年と7か月いたことになります。
上司や同僚や顧客をはじめとしてたくさんの人にお世話になりました。
僕の周りには優秀な人も多く恵まれていたなと思います。
新人でコンピュータのコの字もわからなかった自分が曲がりなりにも10年やれたのは周囲のご支援の賜物です。
本当にありがとうございました。感謝の言葉しかないです。
長い期間働いていた後での転職なので、イチローやロビン・ファン・ペルシも移籍前はこういう気分だったのかなあと勝手に想像していますw
以下、長文ですので、興味のある方だけ読んでいただければと思います。
現職での経歴
キャリアを振り返ってみると、入社してなんとなくこれからはバイオの時代かなと勝手に思ってバイオインフォマティックスの部署に配属を希望し、人事の人から人気あるから多分無理って言われたけど結果的に希望通りになったところから始まります。
ちなみに同期入社は500人くらいいたはず。今の新卒採用の人数はこの半分ぐらいじゃないかなあ。
これは大企業だったこともありますがこの年は多かったんですよね。ちなみに次の年も多かった。
ITバブルは弾けていましたが採用ってそんなに景気にピンポイントにあわせられるもんじゃないみたいなんですよね。
どうしてもちょっとずれる。
つまりITバブルの時を基準に採用人数を計算したんじゃないかな。あとは内定辞退率を読み間違えた説もあるかもw
配属されてすぐ1年目は別部署に修行にいってこいと言われて研究寄りの部署に行きました。
今にして思うと僕の野良というかぼっちというかピン芸人的なキャリアパスはこのとき既に始まっていたのかもw
そこで最初にやったことは部内の掲示板をPerl+CGIからServlet+JSPにリプレースすることでした。
いやあ実に新人向きの仕事ですねw
JBuilder使いましたけど重かったですね。当時のPCはメモリが128MBとか256MBとかでしたからね。
その後はSOAP, WSDL, UDDIとかその辺のWebサービス周りの調査とかやっていてAxisとか触りましたね。
その修行期間?が終わり2003〜2006/3月まではバイオインフォマティックス寄りの仕事してました。
客先常駐が多かったですね。お客さんが研究者だったりしました。
あるプロジェクトでは病気に関係する遺伝子を探すというのがテーマでした。人によって違う箇所、SNPとかマイクロサテライトのデータを解析してうごうごしてました。
EMアルゴリズムでハプロタイプ推定とかね。
この頃統計の勉強も少ししたけどよくわからなかったなw
そういえば僕一応数学科出身なんですよね。で、決まり文句の言い訳があって、数学科は統計をやらないんですよね。
大学時代半期1回授業があった気がしますが、そんなもんです。
ま、でもこれからは統計の時代と言われてますし勉強しないとね(汗
この頃はJavaでファイル整形のプログラム書いたりしてましたね。自分で実装して自分で動かして結果を整理して見せるみたいな感じです。
客先は私服で良かったし、雰囲気がなんというか学生みたいな感じだったので結構楽しかったです。
ただまあいろいろあってそろそろバイオじゃない別の仕事したいなあと思って異動しました。
2006年の4月からは自社製品の開発およびそれを使って受託案件をやってました。
そういえば異動した早々アレなトラブルプロジェクトで周りの人にもいろいろ迷惑かけた気がします。すいません。
前の部署と違ってこの部署はSIer色が強かったですね。
や、まあ会社自体がSIerなので当たり前なんですけどねw
プロパー1人に対してだいたいパートナーを2人つけるような体制を作って案件こなすことが良い、社員比率が低いのが良いという世界です。
そうしないと利益でないんですよね。
良い悪いじゃなくてそういうビジネスモデルだったし、そういうシステムから僕の給料も出ていたわけです。なので違和感を感じつつも天に唾するわけにはいかないので淡々と仕事してました。
とはいえ僕自身は割と自由にやれる立場だったと思います。
普通はあまり関わる機会がない自社製品開発もやりましたしね。
技術的にも当時ちょとしたブームだったSeasar2を触る機会がありました。
僕は2008年からブログを書き始めましたが、はてなを選んだのはSeasar2界隈の人がだいたいはてなでブログを書いていたからです。
それ以外にもTracやSubversionを使ってバグ管理、ソース管理をやったりとソフトウェア開発の基礎はこの辺で学んだ気がします。それまではエラー処理何それおいしいのprintStackTraceしときゃいいんじゃないの?でしたしw。
や、まあ、学ぶの遅いよ!っていう突っ込みはあると思いますけど。。。
Hudson(現Jenkins)を触り始めたのは2009年ぐらいですね。
で、某トラブルプロジェクトに応援に行ったらJavaで1000個以上コンパイルエラーがあったのでAntでビルドスクリプト書いてHudson投入したりしてました。
2010年ぐらいから外のコミュニティで発表させていただくこともありました。
Shibuya.tracとかHudson勉強会ですね。その節はありがとうございました。
2011年からは某所に常駐してHadoopに携わることになりました。
この常駐先も優秀な人が多く面白かったですね。
環境も私服でよかったし、ビルがなんとなくシャレオツ空間でしたね。
Hadoop関連のコミュニティにも何回か顔を出させていただきました。その節はありがとうございました。
転職への経緯
転職しようと思ったのは新しいことにチャレンジしたかったからですね。
別に職場の人間関係が悪いとかそういうのは無いですし、転職を決意するような決定的な出来事があったわけではないです。
いつ頃から転職を考え始めたかというと数年前からですかね。考えるといっても具体的なことではなくて転職という可能性もあるだろうなっていう程度です。
隣の芝が青く見えたというのもありますが、プロパー中心の自社サービス開発っていうのをやってみたかったんですよね。
今までは受託メインでいかにパートナーをうまく活用するかっていう環境でしたし、
僕自身がパートナーとして元請けに行く事もありました。最近だとずっとそうでしたね。
要は一人月いくらで自分が売られていくわけです。
若いうちなら何事も経験ということでまだいいと思うんですけど、
いい年こいたオッサンが行くのも受け入れ側が使いづらいだろうなと思うし、
何よりこのビジネスモデルに違和感を感じていたんですよね。
これがたとえ受託じゃなくて自社サービスで自分がプロパーの立場だったとしてもプロパーが少数で大半がパートナーという環境だったらちょっと違和感を感じたと思います。
まあ僕が青臭いというか中二病だと思うんですけど、みんな同じ立場で仕事するのがいいと思ってるんですよね。
あと転職じゃなくて異動でなんとかならないの?って話がありますけど、僕自身一度異動してますし次に異動みたいなことを考えるときは辞めるときだろうなと思っていました。
職場の人間関係が悪いとかだったら異動で解決できると思いますが、
そうじゃなくて会社のビジネスモデルというか社風というかまあ要するにシステム的なものって異動して変わるもんじゃないと思うんです。ここでシステムと言っているのは村上春樹のエルサレム賞スピーチで言っているシステムと同じ意味だと思ってください。
そりゃソフトウェア開発者から営業とか経理になるとかだったら話は違いますけど、職種が変わらなくて業種を変えたいって話なので異動じゃなくて転職なのかなと。
お前がそのシステムを変えるような動きをしたのかと言われると何も言えないわけですが、
「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」って言うじゃないですか。
今回の場合は他人というよりシステムですけどね。
そんなこんなを考えながら悶々としてました。
で、そしたら某所で知り合った人達がまあ某社で面白そうに仕事してるわけですよ。しかも上記を満たしてそう。
で、ちょっと気になったので飲んで聞いてみたりしたわけです。
で、某社って中途採用やってるのかなあと思ったらやってるわけですよ。
ま、中途採用やってるにしてもスキル的にそこそこマッチしてないと意味無いと思ったのですが、
なんかそこそこマッチしてそうなわけですよ。しかも急募とか書いてあるし。
なんかこの時点で縁がある気がしました。
僕はいくら良さそうな会社でも自分のスキルがマッチして無かったら応募しようとは思いません。
仮に応募したとしても採用されるのは難しい気がしますし、採用されたとしてもその後大丈夫なのか不安になります。
新しいことをやりたい、でも自分の今までやってきたことが生かせる環境がいい、
というのは矛盾しているように見えるかもしれませんが、僕はそう思いません。
自分が今までやってきたことを新しい環境でもいかしていきたいわけです。そのほうが転職してもすぐフィットできそうですしね。
とはいえ今までやっていたことにこだわり過ぎては良くないですし、新しいことを吸収する必要もあります。
別にいままでのキャリアの大半がJavaによるアプリケーション開発だったとしてもそこにいつまでもこだわるのではなく
その現場にあった新しいことをやっていきますよーという感じです。
自分の守備範囲を自分で決めてその枠からは絶対はみ出ないっていう姿勢は良くないですからね。
フットワーク軽いですよってところも見せていかないとね。
採用というのはgive&takeな世界だと思います。中途は特にそうだと思います。新卒ならポテンシャル採用というのはありえますが。
自分がgiveできるものがたいして無いのにtakeだけいっぱい求めてもしょうがないと思うわけです。
Javaが出来てRubyも出来てDBにも強くインフラも見れてコミュニケーション能力も抜群でリーダーシップもありマネジメント能力も問題無しで営業センスもあるなんていう人を1人月100万で提案して下さいっていわれても難しいですよね。
違う例をだすと、可愛くてスタイルがよくて料理が上手くて気だてが良くて以下(ryな人を紹介して下さいっていわれても難しいですよね。
なんか話がそれている気がしますが(汗、
自分がgiveできるものっていうのは基本的には自分が今まで仕事で培ってきたことに他ならないと思っています。
業務外のOSS活動というのもありますが、僕はそんなにやってないのでこれはgiveできることじゃないですね。
そんなこんなでこの会社に応募して採用されました。
面接の大半は技術的なことを聞かれましたね。
質問には2種類あって
ひとつは答えがわりとはっきりしているパターン。
「○と△の違いは何か説明してください。」みたいなやつです。
例えば、ネステッド・ループ・ジョインとハッシュ・ジョインの違いは何?とかね。
実際にこういう質問が出たわけじゃないですよ。あくまでも例です。
もうひとつは答えがあまりはっきりしていないパターン。
「あなたが○というサービスを作る場合はどのように設計しますか?」みたいなやつです。
正解は無いでしょうし人によって答えが違うでしょうね。
僕は前者はわりと答えられた気がしますが、後者はうまく答えられなかったですね。
てきとーなことしゃべりましたがしゃべっていて、オレの答え薄っぺらいなーと思ってました。
なので採用されるのは難しいかなと思いましたが採用されました。
ドヤ顔で僕は愛されキャラです、と言ったのがよかったのかもしれませんw
そういえばマネジメントに関わる質問は無かった気がしますね。
まあ履歴書、業務経歴書にそれっぽいことはあまり書いてなかったので質問しなかったのかも。
質問されたら、サブリーダー経験10年です、キリとか答えようと思ったのに(嘘
まあ、そんなこんなで採用が決まりました。
転職エージェントは使わず1社のみの応募でしたので活動自体はたいしたことしてないですね。
一応転職本を立ち読みしたりエンゼルバンクを読んだりしたんですが、あんまり役に立たなかった気がします。
なぜならIT系に特化してないので僕のコンテキストにあわないんですよね。多少は参考になりますけど。
まとめ
長くなったのでまとめます。
まず現職のみなさま、このブログを読んでいる人はいないかもしれませんが(汗、
本当にお世話になりました。
本来なら個別に挨拶に伺うべきだと思いますがブログでの報告になってすいません。
メールで報告すればという話もあるかもしれませんが、
そういえばここ1年ちょっとはずっと外で最後まで外だったのでメールもほとんど見れてません。出せてません。
もしレスする必要があったとすれば申し訳ないです。て、これは社内に限らないですね(汗
ともあれ、僕にとってこの10年はみなさまのおかげで素晴らしい10年でした。
今後も会う機会がありましたらその時はよろしくお願いします。
転職先のみなさま、何人かとはすでに飲んだりしましたが、今後よろしくお願いします。
技術的に優れた人が多くモヒカンの巣窟だと思うので僕の立場はBe the worst、一番のヘタクソだと思いますが、なんとか頑張ってキャッチアップしたいと思います。少なくとも貢献したいという気持ちは人一倍あるつもりです。
最初は慣れないことも多く戸惑うかもしれませんが、暖かい目で見守ってください。よろしくお願いします。m( )m